Wat!アンプのPRコーナー

 

1.Wat!のアンプ製作のポリシー

マニアは微妙な調整やパーツの取替えなどで音を極めていくことを好みます。
私は面倒くさがり屋のO型なので、「シンプル」「無調整」「安定動作」をポリシーにしています。
さらに関西人の性か「これだけのものがこんなに安く」できることに無上の喜びを感じます。

自分の所持するアンプ以外の機器は、近代的なものばかり(低能率スピーカ,CD/DVD)なので、そういうものと相性の良いアンプを、と考えています。

 

2.出力管にマイナス側から給電すると

 真空管アンプはプラス側から電源供給するのが常識です。

 OTLアンプ(Output TransLess:出力トランスを省略したアンプ)などでは、プラス側とマイナス側双方から電源を供給することがありますが、プラス側を省略してマイナス側のみを使用するという回路はあまり見たことがありません。

 ところが、私のアンプでは、出力段をマイナス側からのみ給電する回路を積極的に採用しています。

 これは、下記のように様々な効果が得られるからです。

 1.残留リップルによる雑音を容易に小さくできる
 --終段のカソード抵抗は電源リップルのフィルタリング動作を兼ねることになります。
 マイナス定電流給電型 ユニバーサルシングルアンプのように、このカソード抵抗を定電流回路にすれば、チョークコイルや大型のコンデンサを省略してもリップルをきれいに取り去ることができます。
 このときの電圧降下は10V以下ですみますので、電源効率も極めて良いと言えます。
 その上、PK帰還のNFBをかけることで、残留雑音はさらに小さくなります。

 2.左右信号のセパレーションが良好
 --通常のアンプは、1つの共通の電源から左右両チャネルのOPTに電源供給をすると低域のクロストークが非常に悪くなります。
 マイナス給電ですと、OPT側のインピーダンスが非常に低い(アースですから)ので、クロストークが非常に良くなります。
 特に、カソード抵抗を定電流回路にすれば、ほとんどゼロに近い値になると考えられます。
 実際、このホームページのアンプは測定限界以下です。

 3.ローカルNFBがかけやすい
 --通常のシングルアンプで多量にPK帰還をかける場合、通常NFB回路の直流カット部分にコンデンサが必要ですが、マイナス給電では、このコンデンサを省略することができ、より安定的に多量のNFBを安定的にかけることが可能になります。
 この結果、シングルアンプとしては非常にDF(ダンピングファクタ)を大きくすることができ、立ち上がりの良い音が得られ、低能率・小型の近代的なスピーカでも細かな音までリアルに再現します。

 4.鮮度の高い音質が得られる
 --もっともポピュラーなカソードバイアスのシングルアンプの場合、出力段の信号ループは、B電源のデカップリング用と、カソードバイパス用の2つのコンデンサを経由します。
 マイナス給電の場合は、出力段のカソードバイパスコンデンサを1段で直接出力トランスに接続することが可能になりますので、真空管に負荷をかけず、安定動作を保ちつつ、信号ループの面では固定バイアスと同じになり、音色的に有利になります。

 5.電力の使用効率が良い
 --通常のアンプですと、リップルを取り去る回路で相当の電力を消費しますが、マイナス給電アンプの場合は、リップルフィルターとカソードバイアスを兼用するため、無駄な電力消費が極めて少なくすみます。
 その分、アンプの発熱量が下がる⇒部品の寿命が延びるというメリットも得られます

 6.高い安定性
 --マイナス給電アンプは固定バイアスではなく、カソードバイアスが前提になりますので、基本的に安定性は高くなります。
 さらに、このカソード抵抗を定電流回路にすれば、グリッド抵抗を定格よりも高くするなど、通常のアンプだと安定性を損ねるようなことをしても、真空管に負担をかける心配がありません。

 7.小型・低コストで良い音が得られる
 --通常、アンプのコストや物量は電源トランス、出力トランス、電源整流回路(チョークコイル/大型コンデンサ)の順にかかります。
 本方式の場合、
  ・電源部の所要電流値にほとんど変動がないので、小型の電源トランスを定格ぎりぎりで使用しても、立ちあがりの良い音が得られます。
  ・多量のNFBをかけることにより、安価な低インダクタンスのOPTを使用しても十分豊かな低音を得ることができます。
  ・前述したとおり、リップルフィルターやクロストーク対策回路の必要がないので、電源整流回路を簡素化できます。
 結果、小型で安価ながら高音質のアンプができることになります。

 

※ 技術的な理屈をできるだけわかりやすく解説するため、技術解説ページを作りました。
  ご興味のある方はぜひご覧ください。

 

3.とてもためになるホームページ

 真空管アンプは昔からいろいろな方が取り組んでこられましたが、古典的な真空管アンプの世界では、半導体や大容量のコンデンサが安価に手に入れることができず、現代から見るといろいろな制約の中での世界といえるでしょう。
半導体やそれらを利用した定電圧・定電流回路など昔にはなかった技術を利用することで、まだまだ面白い回路が発見できそうに思います。  下記のホームページをみると、ますますそういう実感が沸いてくると思います。

・情熱の真空管 !おすすめ!

http://www.op316.com/tubes/tubes.htm

 私のアンプ設計マニュアルは必読です。
 全段差動プッシュプル・アンプの庭 も目から鱗でした。
(カソード側を定電流にというのはこの差動アンプがヒントになりました)

・yosさんのページ「球の上にも3年」 !おすすめ!

http://www.shirakami.or.jp/~yos/

 マイナス定電流給電型 ユニバーサル シングルアンプの製作記があります。
 とても美しく、わかりやすいので、マイナス給電アンプを作ってみようという方、是非参考にしてください。

・ユニバーサルアンプ 「富嶽」とその仲間達のページ

http://www55.tok2.com/home2/fugaku/index.html

 総ての出力管を鳴らす事を目標としたユニバーサルアンプ「富嶽」のページ。
 すごいです。これを見ると私のアンプを「ユニバーサルアンプ」と言って良いのか。。。と反省を促されます。

・Daluhmannさんのホームページ

http://daluhmann.exblog.jp/

 私にとって、陰の第2の師匠(微妙な言い方?)のページです。
電源回路の考え方やNFBなど、いろいろ勘違いしていた自分に大きなヒントと見識を与えてくれました。
 初心者のうちは理解が難しいかもしれませんが、私のページを簡単に読める方は是非ご一読を!

・進化するパワーアンプ

http://www.ne.jp/asahi/evo/amp/index.htm

 超3結の発明者としても有名ですが、私にとって、陰の師匠などと言うのは奥がましい方(これまた微妙?)のページです。
とても見やすいページながら、高い技術的見識に基づいた斬新なアイディアがいっぱい盛り込まれていて、今見直してみても、目から鱗のコンテンツばかりです。
 私のレベルではまだまだ理解できないものも多くありますが、一生の教科書として愛読していきたいと思います。

・アンサンブルクラルテ(NHK交響楽団横山先生)のページ

http://www.clarte.tv/

 NHK交響楽団横山先生を中心とするアンサンブルのページ
 私の所属するアマチュアオーケストラにソリストで来ていただいた際に、横山先生とお話させていただいたのですが、実はものすごい真空管アンプマニア(^o^)でした。
「私のオーディオ真空管」というところに、とても充実したページを作られています。
素晴らしい音楽性と鋭い聴覚をお持ちの方の真空管アンプのページ、是非一度ごらんあれ。

 

5.いただいたご意見・ご質問

ご意見・ご感想は、 Wat!宛てメール までいただければ幸いです。

今までいただいたご意見については、こちらに まとめさせていただいています。

 

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